集中線の作り方と使い方ガイド

SpeedLine Creator は、漫画やアニメーションで使う集中線と移動線を、ブラウザ上で作るツールです。このページでは、線の種類の選び方から、パラメーターの意味、書き出しの方法、制作での使い方までを順に説明します。

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集中線と移動線の違い

集中線は、画面の一点に向かって放射状に集まる線です。読者の視線を中心に集めたいときや、驚き・衝撃・決めポーズなど、場面の緊張感を強めたいときに使います。中心の位置はキャンバス上で自由に動かせるので、人物の顔や手元など、見せたい場所に合わせられます。

白い背景に、黒い線が画面の外側から中心へ向かって放射状に伸びている集中線の作例
初期設定のままの集中線。線は画面の外側から描かれ、中心に近づくほど細くなります。

移動線は、一方向に平行に流れる線です。走る・飛ぶ・振り抜くといった動きや、背景が流れていくスピード感を表すのに向いています。線の角度と、線をどちら側から伸ばすか(右起点・左起点・中央)を選べます。

画面の右端から左へ向かって、長さと太さの異なる水平な線が流れる移動線の作例。上下の中ほどに線のない帯がある
移動線の作例。「右起点」にして線の長さと太さにばらつきを付け、「中央除外幅」で上下の中ほどに線のない帯を作っています。

どちらを使うか迷ったときは、止まっているものを強調したいなら集中線、動いているものを表したいなら移動線、と考えると選びやすくなります。

パソコンでの基本の流れ

パソコンでは、上部のツールバー、左のプレビュー、右の設定パネルからなるエディターが表示されます。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. ツールバーの「集中線」か「移動線」を選びます。
  2. プレビューをクリックまたはドラッグして、線の中心を決めます。集中線では中心の位置が、移動線では線の配置の上下の位置が動きます。
  3. 右側の「パラメーター」タブで、本数や太さ、ブラシ質感などを調整します。変更はすぐにプレビューへ反映されます。
  4. ツールバーで比率(16:9・4:3・1:1・9:16・3:4・21:9・2.39:1)とFPSを、使う場面に合わせて選びます。
  5. ツールバーの「エクスポート」から、静止画のPNGまたは連番画像(ZIP)を書き出します。

集中線では、中心の空きの縁(上下左右と斜めの位置)をドラッグすると、空きの大きさを変えたり、横長・縦長の楕円にしたりできます。ドラッグしている間は、空きの範囲がガイドとして表示されます。

操作を間違えたときは、ツールバーの矢印ボタンか、キーボードの Ctrl+Z(Mac では ⌘+Z)で元に戻せます。やり直しは Ctrl+Shift+Z または Ctrl+Y です。スライダーのつまみをダブルクリックするとその項目だけを、「リセット」を押すと調整全体を初期値に戻せます。

ツールバー左端のボタンを押すと、エディター部分だけを画面いっぱいに広げて作業できます。気に入った設定は「プリセット」タブで名前を付けて保存し、あとから呼び出せます。プリセットの保存先についてはよくある質問をご覧ください。

スマートフォンでの基本の流れ

画面幅の狭い端末で開くと、よく使う操作だけに絞ったスマートフォン版の画面が表示されます。絵を大きく表示し、画面下の操作帯で調整する1画面の構成です。横向きにした場合は、左に絵、右に操作が並びます。

  1. 画面上の「集中線」「移動線」で線の種類を選びます。
  2. 絵をドラッグして、線の中心(移動線では上下の位置)を動かします。
  3. 画面下の「形」「ブラシ」「ばらつき」「キャンバス」から調整したいものを選び、項目名をタップしてから、スライダーか − + のボタンで値を変えます。同じツールをもう一度タップすると操作帯が畳まれ、絵が大きく見えます。
  4. サイコロのボタンで、線の配置をランダムに作り直せます。右上の矢印で取り消しとやり直しができます。
  5. 右上の「保存」を押し、「背景を含める」のオン・オフを選んでから「PNGを保存する」を押します。オフにすると、背景が透明なPNGになります。

「キャンバス」では、比率(9:16・3:4・1:1・4:3・16:9)の切り替えと、スマートフォン内の写真やイラストを背景に敷く操作ができます。背景画像を使うと、キャンバスの比率は画像に合わせて決まります。初めて開いたときの比率は3:4です。

スマートフォン版では、かすれ、発光、ノイズ、描画モード、プリセット、FPSの切り替え、連番画像の書き出しは表示していません。これらを使うときは、パソコンで開いてください。

主なパラメーターと見た目の変化

パソコン版の「パラメーター」タブは、「カラー・背景」「線の設定」「ブラシ質感」「合成・ぼかし・発光」「ノイズ」「かすれ」のまとまりに分かれています。ここでは、それぞれの項目が見た目にどう効くかを説明します。スマートフォン版にある項目は、同じ名前か近い名前(かっこ内)で表示されます。

線の設定(集中線)

本数
線の数です。少ないとすっきりした印象に、多いと密度の高い迫力のある印象になります。5本から1500本まで設定できます。
線のばらつき(ばらつき › 向き)
線が並ぶ角度の不ぞろいさです。下げると規則正しく並び、上げると間隔にむらが出て手描きに近い印象になります。
太さ・太さのばらつき
画面の外側に近い部分の線の太さと、線ごとの太さの差です。ばらつきを上げると、太い線と細い線が混ざります。
長さのばらつき(ばらつき › 長さ)
線ごとに中心側の端の位置をずらします。0では線の先端が中心の空きの縁にそろい、上げるほど短い線が混ざります。
中心半径(形 › 中心の空き)
中心のまわりで線を描かない範囲の大きさです。人物の顔やセリフを入れる場所を空けたいときは大きめにします。
線の本数を増やし、中心の線のない範囲を大きく取った集中線の作例。画面中央に広い白い空きがある
本数を140本に増やし、中心半径を大きくした例。中心に広い空きができ、人物やセリフを置く場所を確保できます。

「詳細設定を表示」を開くと、次の項目も調整できます。

先端の分かれ
線の中心側の先を、数本の細い針のように分けます。太い線で使うと毛束のような表情になります。分かれる本数(2〜5本)と、枝ごとの長さの差(分かれのばらつき)も変えられます。
先端ぼかし
中心側の先端を透明に近づけ、線がやわらかく消えるようにします。「先端ぼかしの範囲」で、ぼかしのかかる位置を調整します。
中心輪郭のばらつき
中心の空きの縁で、線の先端をそろえるか不ぞろいにするかを決めます。下げると、空きの輪郭がくっきりした円に近づきます。
線の飛び散り
線と線のあいだに、短い線やインクの粒のような点を加えます。「飛び散りの太さ」で粒の大きさを、「飛び散りの長さ」で放射方向への伸びを変えます(0に近いほど丸い粒になります)。
密度
描く線の割合です。下げると線が間引かれ、まばらになります。

線の設定(移動線)

本数・太さ・太さのばらつき
集中線と同じく、線の数と太さ、線ごとの太さの差を決めます。
長さ・長さのばらつき
線の長さと、線ごとの長さの差です。長さを短くしてばらつきを付けると、画面の端から流れ込むような線になります。
角度
線の向きです。0度で水平になり、0〜360度の範囲で回せます。斜めにしても、線は画面の角まで届くように描かれます。
起点方向(形 › 起点)
線をどこから伸ばすかを選びます。「右起点」「左起点」は画面の端から線が伸び、「中央」は画面の中ほどに両端の細い線を配置します。
詳細設定
「先端の細さ」で線の先をどれだけ細くするか、「配置幅」で線を並べる範囲の広さ、「間隔ジッター」(スマートフォン版の「ばらつき › 間隔」)で線どうしの間隔の不ぞろいさ、「中央除外幅」で線を描かない中央の帯の幅、「密度」で描く線の割合を調整します。

ブラシ質感

「ブラシ」では、線の描き方を「標準」「毛筆A」「毛筆B」から選べます。標準は縁のはっきりした均一な線です。毛筆Aは筆で払ったような毛束の線、毛筆Bは墨がにじんだような線になります。

毛筆のブラシ質感で描いた集中線の作例。線の中に墨の濃淡やかすれ、細かなインクの粒が見える
毛筆Aで描いた集中線。太さを上げると、墨の濃淡やかすれ、毛先の割れ、インクの飛沫が見えやすくなります。
墨の含み(かすれ)
墨の濃さです。下げると墨が少ない筆で描いたように、線の中にかすれが増えます。
毛束の太さ補正・先端の細さ・毛先の乱れ
毛筆のストロークの太さの見え方、先端を太い払いにするか鋭い針状にするか、毛先の長さや細さをどれだけ不ぞろいにするかを調整します(パソコン版のみ)。
インク飛沫
線のまわりに飛ぶ墨の粒の量です(パソコン版のみ)。

毛筆を選んでいるあいだは、ノイズ(うねり)と移動線の「先端の細さ」は使えません。筆のストローク自体が先細りの形を持っているためです。

カラー・背景

背景色・線の色
背景と線の色を選びます。間にあるボタンで、背景色と線の色を入れ替えられます(線が単色のときのみ)。白い線に黒い背景、といった反転もすぐに試せます。
カラーモード
「単色」ではすべての線が同じ色になります。「複数色」では登録した色が線ごとに割り当てられます。
背景画像
パソコン内の画像を背景に読み込み、線を重ねた状態で確認できます。画像とキャンバスの比率が違うときは、キャンバスを画像の比率に合わせるかどうかを選べます。読み込んだ画像はブラウザの中で処理され、サーバーには送られません。

合成・ぼかし・発光

不透明度・透明度ばらつき
線全体の濃さと、線ごとの濃さの差です。背景画像に重ねて控えめに見せたいときは不透明度を下げます。
ブラー
線そのものをぼかします。集中線では中心に向かう放射状のぼかし、移動線では線全体をなめらかにぼかします。
描画モード
線どうしや背景との重なり方を「通常」「スクリーン」「加算」「乗算」から選びます。「背景にもブレンドを適用」をオンにすると、背景の色や画像にも描画モードがかかります。
線の発光
線のまわりに光のにじみを加えます。「発光の強さ」で広がりを調整します。描画モードが「乗算」のときは使えません。

ノイズとかすれ

ノイズ
オンにすると線がゆるやかに波打ちます。「うねり強度」で揺れの大きさ、「うねり細かさ」で波の細かさを変えます。
かすれ
オンにすると線の縁が削れたようにかすれます。「かすれ強度」で削れる強さ、「かすれ量」でかすれが出る量、「かすれ細かさ」で粒の細かさを変えます。

書き出し(PNG・透過PNG・連番画像)

パソコン版では、ツールバーの「エクスポート」を押すと書き出しの画面が開きます。「書き出し形式」で「静止画」か「連番画像」を選び、解像度とファイル名を決めて保存します。

静止画(PNG)
今プレビューに表示されている線を、1枚のPNGとして保存します。
透過PNG
「背景色・画像を書き出しに含める」のチェックを外すと、線だけが描かれた背景の透明なPNGになります。初期状態ではチェックが外れています。背景ごと保存したいときはチェックを入れてください。
連番画像(ZIP)
線がコマごとに描き変わる様子を、連番のPNGファイルにしてZIPにまとめて保存します。長さは1秒・2秒・3秒から選べ、枚数は「FPS × 秒数」になります(24FPSで2秒なら48枚)。最後のコマの次が最初のコマにつながるので、繰り返し再生する素材として使えます。
ファイル名
名前を指定できます。連番画像では、名前と番号のあいだの区切り文字と、開始番号(例: 001)も指定できます。
背景を含めずに書き出した集中線の透過PNG。透明な部分が市松模様で表示されている
背景を含めずに書き出した透過PNG。市松模様の部分が透明です。原稿や動画の上に重ねると、線だけが乗ります。

比率と書き出しサイズ

比率は 16:9・4:3・1:1・9:16・3:4・21:9・2.39:1 から選べます。背景画像を読み込んだ場合は、画像と同じ比率にもできます。書き出しの解像度は、比率ごとの「元のサイズ」(16:9なら1920×1080px)と、その50%・150%・200%から選びます。長辺は最大7680pxで、これを超える設定は縦横比を保ったまま自動で縮小されます。

スマートフォン版では、比率ごとの「元のサイズ」の半分の大きさで保存します(3:4なら600×800px)。保存の画面に実際のサイズが表示されます。大きなサイズが必要なときは、パソコン版をお使いください。

FPS(フレームレート)

FPSは、1秒間に線が何回描き変わるかを決めます。8・10・12・24・30・48・60 から選べ、ツールバーの再生ボタンでプレビュー上の動きを確認できます。たとえば12FPSなら1秒に12回、8FPSなら1秒に8回描き変わるので、24コマの作品では2コマ打ち・3コマ打ちに近い見え方になります。連番画像を動画編集ソフトなどに読み込むときは、書き出したときのFPSに合わせて設定してください。

制作での使い方の例

漫画のコマで視線を集める

コマの比率に近い比率を選び、透過PNGで書き出してコマの上に重ねます。人物の顔や見せたい物が中心の空きに入るよう、中心の位置と中心半径を合わせておくと、あとからの修正が少なくて済みます。手描きの絵になじませたいときは、ブラシを毛筆にしたり、「線のばらつき」を上げたりすると、均一すぎない線になります。

動きやスピード感を出す

移動線を選び、動きの向きに合わせて角度を決めます。「右起点」「左起点」で線が流れてくる側を選び、「中央除外幅」で被写体の部分を空けると、背景だけが流れているように見せられます。

アニメーションの撮影・合成に使う

作品のコマ数に合わせてFPSを選び、連番画像(ZIP)で書き出します。背景を含めずに書き出せば、撮影ソフトや動画編集ソフトで、セルや背景の上に線だけを重ねられます。比率は 16:9 のほか、縦長の動画向けに 9:16、映画の画面サイズに近い 21:9 や 2.39:1 も選べます。

いろいろな配置を比べる

パソコン版の「ランダム生成」やスマートフォン版のサイコロのボタンを押すと、同じ設定のまま線の配置だけが変わります。何度か押して、絵に合う配置を選んでください。決まった設定はプリセットに保存しておくと、別の作品でもすぐに呼び出せます。

ツールを開く